セルジュ・ゲンズブールは、その音楽活動をジャズから始めました。
ジャズ時代の彼には、 La Fille au rasoir (1963 Gainsbourg Confidentiel)など、うちのめされるほど美しい曲がたくさんあります。
このころが、ゲンズブールが母国フランスで高い評価をうけ、名盤をいくつも発表し、フランス女優たちの歌うアルバムのプロデュースを手がけるなど、音楽的に最も充実していた時だったかも知れません。特にのちに妻となる、英国出身のジェーン・バーキンとデュエットした Je t’aime… moi non plus など、いまひとつ目立たなかった女優の魅力を引き出す、優秀なプロデューサーとしての側面でも有名です。殊に英語圏のジェーン・バーキンがフランス語を修得するのに、ゲンズブールはわざと彼女の英語なまりがチャーミングに聞こえるよう、アドヴァイスしたともいわれます。