TEOREMA Ennio Morricone

Teorema -Pier Paolo Pasolini

イタリアの映画監督、ピエロ・パウロ・パゾリーニの”テオレマ”は、どのようにも解釈されます。
ストレートにみると、全く屈折のない作品、でも政治的にみる人もいるでしょう。でも、ただぼんやりしていたい、そういうときに意外にあうのがパゾリーニの作品なのです。
パゾリーニの”アポロンの地獄”のように、あまりにも素直で、それをただながめているだけでいい、そんな作品が、彼には多くあります。音楽的な映画、ともいえます。

この”テオレマ”という映画は、今だにあまり評価されないパゾリーニの作品のなかで、ただひとつ多くの人がみとめているものです。
ここで注目したいのは、映画もすばらしいけれど、その音楽を担当したエンニオ・モリコーネの才能です。
パゾリーニは音楽効果にもかなり力を入れていたようですが、このテオレマの、最初の画面、うつしだされるセピア色の数ショットとともに、モリコーネの音は、デカダンであり、美しく、とても印象ぶかいものでもあります。
もちろん映画のストーリーや、その根幹をなすもの、それらを考えてモリコーネはこの音楽をつくったのでしょう。
けれどもこの音楽の重さ、深さとおなじように、この映画での彼の音楽はすばらしいと思います。
ある種のむなしさ、それはこの映画をつらぬいているものなのですが、音楽もそのとおりです。このような曲を聴いて安心するという一面もあります。

エンニオ・モリコーネはさまざまな映画音楽で知られているようですが、ミルバにうたわせたアルバムなど、濃く、しかし美しすぎる音楽やアルバムがたくさんあります
彼はロック・ミュージシャンではありませんが、それとおなじくらい、強烈で魂をうちぬかれるような曲がたくさんあります。
ちょうど、フランスのレオ・フェレにみられるような、クラシックでありながら、ときに、とても過激な、ロックそのものと思えるような曲を発表しています。

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