ルー・リード ワイルドサイドを歩け。
ルー・リードには、どこか退廃的なかげりがつきまといます。
暗くうなるようなヴォーカル、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのダークなイメージ、彼につらなるヘロインや、ゲイという生き方など、さまざまな要素がからみあって思い起こされるからでしょう。
人生の裏街道を歩いてはいけない。人はつねに頭をこうこうとあげて、表街道を歩かねばならないという文章をよんだことがあります。
それはあまりにも道徳的な考えで、かたくるしく、裏街道をあるかざるをえない人を無視しているように感じられました。
しかし、このことばはそういう意味ではなかったのです。
そのことはルー・リードのこの曲の歌詞をよむとよくわかります。ルー・リードにイメージされるさまざまなことは、ルー・リードが、一見、裏街道をあるいているようにみえますが、この曲で彼は重いものを背負いながらも、こうべをあげ、ワイルドサイドを歩いているのです。
そしてそれをかっ色の女たちが賛美して、うたいつづける。
ルー・リードは表街道を堂々とあるいているのです。
この曲はある種の、生きるうえでの到達点さえ、あらわしているかも知れません。
永遠の名曲であり、いろんなことを考えさせられる曲でもあります。