LOU REED WALK ON THE WILD SIDE
この曲を聴くと、安心させられる。
ルー・リードはゲイであり、ヘロイン中毒者として生きた。
それは社会的には、弱者であるということになる。
しかし彼は負けない、社会に世界に負けない、自分を低くみている相手に負けない。なぜなら、
むしろ正統といわれるものを信じきっている人たちを、高みから見下ろし、嘲っているからだ。
ホリーはフロリダのマイアミからやって来た
アメリカ中をヒッチハイクして
旅先で眉毛を引っこ抜き
すね毛を剃ればもう彼女
彼女は言う、”ねえアンタ、裏街道を歩きなよ”
彼女は言う、”ねえアンタ、裏街道を歩きなよ” *
そこにルー・リードのタフな部分、つよさがある。途轍もなくむずかしいことが。
「だから何なんだよ」と裏を返して高みへ辿り着き、嘲う。
彼は煌々と頭を上げ、表街道をあるいていた。
だらけ気味のヴォーカルでありながら、協力なパワーをもつかろやかな一曲。
次回は、ルー・リードとはちがう生き方をしたミュージシャンについて、ふれてみたいと思う。
* 訳 Kuni Takeuchi