ロッド・スチュワートの再評価

フェイセズは最高に気分いい。
ロッド・スチュワート(vo)とロン・ウッド(g)の一抹のだらしなさが、それこそほんとうにロックでかっこいい。
ここにロニー・レイン(b)という、このバンドにとって貴重な、美しいメロディーを書くソングライターが存在しているのも強味だ。
はじめてこのバンドを聴く人におすすめなのは、The Best Of Faces: Good Boys When They’re Asleep というベスト盤だ。ロニーのギターの効いたファンキーな Too Bad センチメンタルで美しい Glad and Sorry など、心にからだに浸みてくる素晴らしい曲がたくさんある。そしてなぜか肯定的になれる。気持ちよくノレたり、しんみりしたりする曲ばかりだ。

ロニー・ウッドは現ローリング・ストーンズのギタリストだが、ロッド・スチュワートのほうは、 Da Ya Think I’m Sexy? の大ヒット以降、あの華やかさがあったからのなか、今は低く評価される。
しかしあんな声を持った人はめったにいないし、あんなふうに歌えるヴォーカリストというのもそうはいないのだ。
ロッド・スチュワートのヴォーカルの素晴らしさは、キャロル・キング作曲の、幾多のカバーバージョンのある名曲 Oh No Not My Baby によくあらわれている。
ロッド・スチュワートは、再発見されてもいいのではないか。


Glad and Sorry
Oh No Not My Baby

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