黒人の口ずさむブルースから、60年代のビートルズ、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトンなど、数知れず多くの新しい音楽が生まれました。そしてそこからまた、さまざまな実験がおこなわれ、プログレッシブ・ロックなどが登場しましたが、70年代、ロックというものが、その真髄をよくつかめなくなりはじめ、それに不満をいだく若者たちが、不況という背景をもって、パンクを生み出しました。しかしパンクは2年で終わったといわれますが、ムーヴメントとして登場するまでには、60年代のロックとおなじように、アメリカのロスト・ジェネレーションや、ビートニクスたちの存在とも、ふかくつながりを持ちつづけてきたのです。
パンクがあらわれたことで、ロックの形態はより自由になり、ニュー・ウェイヴ、グランジの時代もやってきました。しかしノイズのように、音そのものが何なのかという活動が、ヒットチャートにあらわれる名曲の裏側で、60年代後半からしずかにずっと存在しつづけていたりします。
ZOO MUZIK EXPRESSでは、これからも、この長い歴史をもつことになったロックについて、さまざまな曲たちが、どのように人間の心に印象づけられてきたか、そして音楽のみならず、あらゆる表現活動とどのようにからみあっているのか、どんなに今もまた美しく、かっこよくありつづけているのかということを考えていきたいと思っています。