MC SOLAAR Obsolète

MCソラー 移民暴動とラップ

ふつう、フランス語の歌詞は、英語発のメロディにはのりません。
これは、フランス語、英語のリズムがちがうからかも知れません。
フランス語であり、ロックできたのは、ほとんどセルジュ・ゲインズブールだけですが、彼にしても、ロックにちかづいたとき、歌詞は英語ばかりになっていました。

MCソラーは1994年頃、この大ヒット曲を放ちました。
フランスといえば、上品、気どっている、あるいはおしゃれ、グルメ、エレガンス、という想像ばかりがあるのではないでしょうか。
もちろんフランスの表面はそうでしょう。けれどもときによっては、その裏側のほうが強烈なことがあります。
フランスはお金持ちばかりの優雅なひとたちばかりではありません。
HLM(アシュレム)という、安価で住める住宅が、まずしい人々にはあたえられます。この住宅は500フラン(当時、1フラン/20円)で借りられますが、この住宅のあるあたり一辺は、なにかむなしくさびれています。
HLMの建て物がモダンであるため、よけいそのむなしさを感じるのです。(ヨーロッパの多くの国がそうであるように、フランスでも、古ければ古いほど、すべてのものに価値が増します。)

フランスは旧宗主国であったアフリカ大陸の国々と、今日も深いかかわりがあります。
そしてフランスにいついた彼らには2世、3世が生まれてきます。MCソラーもそのような人の一人です。
セネガル出身の母親はまずしい暮らしのなかで、MCソラーに、セネガルの詩をずっときかせていたといいます。
どんな生命をかけて、アフリカ大陸からフランスへやってくる人たちがいるか、それは数年前のNHKのテレビ番組で東大大学院教授 姜尚中先生が取材した「フランス 移民暴動の試練」という心のこもった番組があります。

MCソラーのこの悲しみにみちた、けれどもかっこいい曲を、どれだけのアフリカ大陸出身の人々がきいたでしょう。

ロンドンでもそうですが、パリでもメトロの駅で降りれば、白人は1/3しかいません。フランスの場合、地方に行ってもその比率は変わりません。アジア系、アフリカ系、アラブ系、白人系、人種のるつぼというのはなにもニューヨークだけではないのです。
だからこそ、つらいことも、たくさんかかえながら、MCソラーのような、あたらしい(今でも)音楽が生まれ、詩が生まれ、芸術が生まれていく。
メトロポリタンな都市の特徴として、なにかあたらしいものが、つねに生まれてくるけれども、しかしそれは当然といえば当然のことなのです。

1994年、この曲がどのラジオ局からも、あふれかえらんばかりにあふれていたころ、フランスがうけいれたのは旧ユーゴスラヴィア、ボスニア・ヘルツェゴビナの人々でした。フランスは無料でフランス語教育をおこない、彼らがフランスで生きていけるよう、そして職業にもつけるよう、行動をおこしていったのです。
逃げていく人はいる、けれどもはじきだされる人はいない、大都会の法則にのっとって、パリは在りつづける。だからこそ、パリは世界中の永遠のあこがれでありつづけているのです。
MCソラーはそんなあたらしいパリを代表するアーティストなのです。

人気のサッカーの世界でもMCソラーとおなじような場処から、ハングリー精神、あるいはむなしさをかかえて出てきた人はいくらでもいます。
フランス語は英詞ロックにはのらないが、ほんのときどき英詞のロックをのりこえることがある。MCソラーもそのひとつかも知れません。

Obsolète

Naguère les concierges étaient en vogue
Désormais on les a remplacés par des digicodes
Dans ma ville il n’y avait pas de parcmètres
Je voyais des ouvriers manger des sandwichs à l’omelette
Le passé me revient comme un bilboquet
La présence d’un passé omniprésent n’est pas passée
Les Halles supplantées par le Costes
L’allégorie des madeleines file à la vitesse de Prost
L’air y était pur, Paris plus beau
Désormais le ticket de métro augmente comme le nombre d’autos
Oh shit, à la télé y’a plus de speakerines
Y’a des films de séries B que j’estime à quatre centimes
Les States nous plaquent ces films de trois piécettes
Que je mate, et mon intellect constate qu’ils sont obsolètes

Obsolète, mais stylée, la phrase qui suivra
L’homme qui capte le mic et dont le nom possède le double a
La variet’ est sa cible Solaar l’arbalète
Qui pique cette zique soliste et alite l’élite
Qui élabore depuis des décennies
Une main basse sur mon art pour qu’il avance au ralenti
Mais le Grand Manitou, manie tout, t’inquiète
Il démasque la musique à masque et la place en hypothèque Puis, inscrit en italique sur son agenda
Le top des trucs qu’il n’aime pas
Bref pour être clair et net le ventricule s’accompagne de l’oreillette
Tout comme à mes oreilles la variet’ s’acoquine et rime avec obsolète

Obsolète est aussi l’allumeuse qui
Portait des bas résilles et empestait le patchouli
Pour des services rendus elle me dit « j’te paye en nature »
Et je reste stoïque quand elle me tend des confitures
Ceci est oublié quand au mois de décembre
Elle me téléphone et me dit « Passe me prendre »
Bref ! J’en abuse avec délectation
Douce comme de l’hydromel je suis en affection
Puis me glisse, m’immisce, entre les cuisses lisses de la miss
Ses yeux se plissent et elle dit « Stop ton vice »
Je suis comme une balle, elle joue le rôle d’une raquette
L’endormeuse allumeuse se prend pour une starlette
Mais sache que dans les cinémathèques, tes presque galipettes désuètes
Sont classées dans les séries B au rayon obsolète

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