NICK CAVE and The Bad Seeds The birthday party

ニック・ケイヴ アンド ザ・バッドシーズ ザ・バースディ・パーティー

ニック・ケイヴはマイナーなわけでもなく、しかしメジャーなわけでもない。
でもいつでも 必ず支持者がいて、ある程度、知られている、そんな音楽界のポジションにあります。
ニック・ケイヴの音楽活動は、オーストラリアのメルボルンで生まれたバースディ・パーティーから始まります。
とにかく激しく 重く 暗く、ちょっと聴けないなぁと最初は思うのですが、なぜかどうしても気になる、それでまた聴くとやはりよくわからない。でもどうしてかひきつけられる。この行為をくりかえしおこなっているうち、ある日 完璧なファンになってしまっているのです。実はノイズにしかきこえない音のなかに、繊細でメロディアスな美しいものがあり、それにいつしか魅了されているというわけです。

バースディ・パーティー解散後は、ニック・ケイヴ & ザ・バッドシーズが一部の人々から支持をあつめます。バースディ・パーティほどの重厚さはなく、少し開放的になっています。

ニック・ケイヴは放浪者ですが、一時期、ブラジルのサンパウロにいました。この時代のアルバムはすがすがしく、美しい曲も多いです。このころ、ニックはポルトガル語 独特のことば、「サウダージ」の追求をしていたようです。アルバム The good son, Henry’s dream など。

Nick Cave & The Bad Seeds – Slowly Goes the Night


ニック・ケイヴ & ザ・バッドシーズは日本にも来ています。東京公演では、わりと大きめのホール(渋谷)でライヴがおこなわれましたが、タバコを吸おうとするニックをメンバーが止め、ニックは不満そうでした。一部が終わり、二部が始まるとき、楽屋から出てきたニックはじめ全メンバーが、スモークでもたいているかのような、もうもうとしたタバコの煙と共にあらわれました。
このツアーのときは、福岡の、バンドを組んだ男の子たちが初ライヴをするような小さなライヴハウスで公演がおこなわれました。ここではもちろんタバコは吸ってよく、ニックはひっきりなしにタバコを吸いながらうたっていました。こういうライヴのほうが彼らには似合っているような気がします。

ロンドン、ブリクストンのライヴでは、熱烈なファンが舞台にあがって、ニックにキスしたり、あるときはこのファンが、バラの花飾りをつくってきて、また舞台にあがり、メンバーひとりひとりにつけてまわりました。

ニック・ケイヴ & ザ・バッドシーズになって、音楽が少しおちつき、美しくかっこいい曲へとなっていったのは、ニック・ケイヴがヘロインをやめたこと、それからアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのヴォーカル & ギターのブリクサ・バーゲルトが加入したことによると思われます。
しかしやがて、ノイバウテンの方も、ブリクサがいないと活動できないということで、このふたつのバンドをかけもちしていたブリクサはノイバウテンにもどります。
その後のニック・ケイヴは、(それまでも充分その気があったのですが)センチメンタリズムとそれに酔うナルシストぶりがみがかれていっています。

数年まえ、マリアンヌ・フェイスフルのアルバムを、ニック・ケイヴ & ザ・バッドシーズがプロデュースしたアルバムがありましたが、あれほど毒気のつよいマリアンヌの影がうすくなるほど、音楽はニックのナルシズムにひたされていました。

94年、95年頃にはアルバムで、ニックのあこがれの女性、カイリー・ミノーグとも共演しました。ニックはいつでもカイリー・ミノーグのセカンドバッグを持ちあるくほどの、彼女のファンなのです。

ニック・ケイヴの拠点はロンドンですが、一時期 西ベルリンにいました。
このときのニック・ケイヴ & ザ・バッドシーズの様子はヴィム・ヴェンダース監督『ベルリン天使の詩』でみることができます。またベルリンの壁がこわれたときには、壁のすぐそばでレコーディングしていたそうです。

Nick Cave in film Wings of Desire 1987 Director – Wim Wenders


放浪者であるニックはボロいラジカセひとつを手に、世界中をあるきまわってきました。”音楽は本質を聴かなければいけないのだから、このラジカセでいいのさ。”と彼は言っています。

Nick Cave & The Bad Seeds – I Had a Dream, Joe

Stranger Than Kindness

The Nick Cave Exhibition June 2020 – 13 February 2021

Reconstruction of Nick Cave’s office, created in collaboration with artists Iain Forsyth & Jane Pollard. Estab- lished with inventory, artefacts and photographs from Nick Cave’s private office, including Nick Cave’s entire library.

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