ビーチボーイズには西海岸の、明るくさわやかで、心地いい、健康的なカリフォルニア・ガールズ・・・そんなイメージがあります。
一方、明るくポップに高音へ上昇してゆくコーラスとは逆に、下へ、下へ、暗みへ、暗みへおちてゆくコーラスもある。
聴いていると気持ちはいいのですが、不思議にサイケデリックなサウンドだなとも感じさせられます。ちょっと乗り物酔いしたような気分・・・。
名作はたくさんあるものの、最高傑作はやはり1971年の「サーフ・アップ」でしょう。安定したアルバムではないけれど、ラストの一曲、「サーフ・アップ」は美しく、感動的です。
まるで ケネス・アンガー著「ハリウッド・バビロン」に描かれているような、表舞台の世界の、明と暗、光と影を同時に持っているバンドであり、名作なのかも知れません。

きっとこのバンドが秘めているものは、かぎりない青空だけではないのでしょう。美しい曲にひたりたい方へ・・・。


Hollywood Babylone Ⅰ 明石三世 訳 1989
Hollywood Babylone Ⅱ 明石三世 訳 1991

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